高嶋将之、山口啓太
総額約10億円の持続化給付金を不正に受給したグループの指示役だったとされる谷口光弘容疑者(47)が、22日夕、およそ1年8カ月ぶりにインドネシアから帰国した。
谷口容疑者を乗せた旅客機は、同日午後4時半ごろに成田空港に到着。混乱を避けるため一般乗客が降りた後の午後5時15分ごろ、谷口容疑者は同空港第2ターミナルの到着ロビーに姿を現した。黒っぽいポロシャツにマスク姿で、カメラのフラッシュを浴びながら捜査員らに誘導された。
警視庁は同日午前、インドネシア側から谷口容疑者の引き渡しを受け、移送中の旅客機内で午後3時前に詐欺容疑で逮捕した。今後は東京都内の警察署に身柄を移し、取り調べを始める。
谷口容疑者はセミナーなどを開いて給付金の申請名義人を募り、家族らとともに計約1780件の不正申請に関わったグループの主犯格と警視庁はみている。不正申請のうち、約960件で計約10億円の給付金が支払われたという。
しかし、一部の申請が通らず名義人との間でトラブルになったなどとして、2020年10月にインドネシアに出国。同年12月に警視庁から詐欺容疑で指名手配されていたが、今月、スマトラ島のランプン州にいたところを現地の捜査当局に不法滞在容疑で拘束された。在インドネシア日本大使館からの情報提供がきっかけだったという。
捜査関係者によると、谷口容疑者の逮捕容疑は、20年7月、東京都内の70代女性の代わりに虚偽の内容で給付金を申請し、現金計100万円を国からだまし取ったというもの。
警視庁は5月30日、グループの一員だったとして谷口容疑者の元妻の梨恵容疑者(45)と息子2人を詐欺容疑で逮捕。22日には同じくグループの一員だった太田浩一朗容疑者(34)=東京都港区=を同様に給付金を詐取した疑いで逮捕した。(高嶋将之、山口啓太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル